【平成十七年七月】の定例法話会・テキスト
『悪の栄えた例ためしはない』と言うが
《この『金の亡者ら』は、善良で年老いた老人達から心の命まで奪った》
『延べ九千人から、百十五億もの大金を荒稼ぎしていたという悪質リフォーム会社の元社員が逮捕された。彼らのやり方は《ヤラレ物件(リフォーム経験のある住宅)を狙え》が合言葉で、そのため、僅わずかに自らの心に残り、辛うじて宿っていたかも知れない、人間としての良心の微小な欠けらさえも、悪魔の手の内に売り渡し、結果として人としての大切な心も、人間としてあり続けるための実証あかしでもある人格の断片かけらさえも投げ捨て《金持ちの高齢者宅にはケツの毛を抜くまで、五回でも六回でも繰り返し押し掛けた。》と言う。この、高齢者を狙い撃ちした卑劣としか言いようがない、この犯罪者集団の彼らに、それでも世間は、果たして彼らに人権を認めると言うだろうか?』これは去る七月二日の「産経抄」の冒頭の書き出しを参考にして書いたのですが、このコラムの続きにはこの記事を書いた記者本人の生々しい実体験が書かれています。
それによると、この記者が、それまで住んでいたマンションから戸建ての借家に引越したところ、住宅関係のセールスがあまりに多いのに驚いたという。たまに平日に、家にいると《屋根のふき替えしませんか?》とか、《無料で耐震診断します。》また、《下水道がつまっていないか調べます。》などと、インターホンがひっきりなしに鳴ると云う。《持ち家じゃないので・・》とひとこと言うと、時間の無駄とばかりに引き取ってくれる。だが、もし自分の家だったらどうだろう。《柱が腐っている》とか《家が倒れる》と脅されたら、不安で夜も眠れなくなるのではないか・・・。と、そして、このコラムの最後を『これは、人を信じて裏切られた人々の悲しみと言うべきだろう。リフォームは自分や家族の安心と幸せのためのはずだった。憎しみよりもその傷は深い。しかも、問題の会社は、卑劣にも社名や所在地を次々と変えて姿を晦らまし、摘発を逃れていた。このような非人道的な犯人は徹底的に追及してほしい。』と結んでいます。
ところで、経済産業省もついにその思い腰を上げ、やっと七月一日から順次、行政処分を受けた「悪質業者六十五社」の実名をホームページ上で公表されましたが、この他の「悪質三十三業者」は関係自治体側が《業者側のクレームがすごいから》と、公表を控えたと云う。これでは行政は、善良な消費者と悪徳業者のどっちを向いているのかと云いたいのですが、この公表を免れた悪徳業者の背後には、表立って姿を表さない権力者の影が・・・見え隠れすると云う。
しかし、最も気の毒なのは、この悪徳業者や、その裏で甘い汁を吸い上げている姿なき権力者に、老後の生活資金を根こそぎかすめ取られた老人達で、この人達は物理的に生きるすべを奪われただけでなく、精神的にも命を奪われたも同然と云ってよいでしょう。これは、立法府(国会)の怠慢以外の何ものでもなく未だに「明治時代の法律」が生き残っていると云うことは、世の変化にまったく対応できていない法律が厳然と存在している現状を考えてみるに、憲法でさえ世界で五十年以上も変えていない国は皆無に近く、まして三権分立(司法・行政・立法)の中の法律を作る立法府の重責を狙う筈の国会議員達が、国を平和で安全な治安を円滑に遂行するための『法の整備と運用の検討』と云う自らの責務をないがしろにして、自らの利権や党利党略や派閥争いも明け暮れして来た結果が、この抜け穴だらけで時代遅れの法律を放置した結果と云えるでしょう。
一例を上げれば、日々新聞やテレビなどを賑わしている殺人事件や躾しつけと称して幼子(妻の連れ子が多いが)に暴力や虐待を振るう若き父親や、実の親子間で殺人事件など、このような善良な国民を守るべき国家の責任をないがしろにしている議員諸氏達は、自ら国民から負託された責務をどう考えているのかが、私達国民に全くと言ってよいほど見えてこないのです。これでは、折角の選挙も、ますます投票所に足を運ぶ人々の足が遠退くばかりで、年々投票率が下がるのも止むを得ないでしょう。
さて次は、国際的な人身売買の話ですが、七月五日のサンケイ新聞の社会面に書かれていた記事によると『だまされて来日した十三才のタイ人少女が、売春斡旋業者に売り渡され、約一年半の間に、まだ、幼いこの少女が約二百人もの客の性的相手をさせられていたと云うのです。この事件で逮捕されたブローカーの容疑の一つが、児童買春禁止法ですが、この法律が施行されたのは、今から六年も前の平成十一年で、以来この法律が外国人少女の被害で適用されるのは今回が初めてだというから驚きです。これまで類似の事件がまったく無かった筈はなく、むしろ、闇の世界では日常茶飯事のごとく起きていた事件なのに、この六年間もの間、いったい入管や警察は何をしていたのでしょう。まさかいたずらに情報を貪っていたとは思いたくありませんが、その結果、残念ながら国際社会からは『人身売買受入天国』と云う不名誉な烙印を押されてしまったのです。
にもかかわらず、我が国には人身売買行為そのものを処罰する法律が無かったのです。従って、警察は止むを得ず、「入管難民法」や「売春防止法」を駆使して取り締まるしかなかったのです。しかも、この悪徳ブローカーが断罪されることは少なく、それどころか、女性だけが売春などの容疑で逮捕されるケースばかりが目立つのです。この理不尽で、旧態依然とした男尊女卑の名残さえ感じられる片手落ちのザル法も、ようやく今年の平成十七年七月十二日に人身売買に重罰を科す改正刑法が施行されますが、遅まきながら、これで、買収を強要するブローカーはもちろん、これらの女性達に群がる男達にも、法律上は厳罰を与えることが出来るようになる筈です。》
しかし、これまで被害を受けた女の子には、一生心に残る深い傷を与えただけではなく、この十三才の女の子にとっては、精神的な意味からも肉体的な意味からも、自らの大切な命を奪われたも同然で、まさに、これは殺人に匹敵する犯罪行為と言ってもよく、これと同種の犯罪に該当するのが、一生廃人同然にする麻薬の密売者にも云えるでしょう。と云うことは、残念ながら現行刑法ではこれらの犯罪は、いずれも肉体的には殺人罪は適用できませんが、人の心はその肉体以上に本人の精神的人間性を支え、同時に人格を構成しているのですから、それを根源的に破壊するような行為は、当然殺人罪と同じと考えるべきでしょう。
このような犯罪は、まともな人格を持った人間にはできるはずもなく、当然彼らは自らの人権や人間としての尊厳も捨て、罪を冒したと考えるべきでしょう。
なのに、我が国では犯罪者が法廷で裁かれるとき、なぜ被害者より加害者の人権が大きく取り上げられるのでしょう。もう一度云います。一部の例外を除いて『殺人は自らの人権を捨ててこそ出来る犯罪だと云うことなのです』
ここで、元NHKの名物アナウンサーだった鈴木健二氏の最新刊(平成十七年七月初版)の(引)「『この世に人を殺してもいい日はない』」と云うショッキングな題名の本の《はじめに》の中から『闇に向かって黒い声で叫ぶ』の最初の部分を紹介してみましょう。これは、まさに仏教の云う十二因縁の無明の叫びです。
【この世に人を殺してもいい日はない】
元NHKアナウンサー 鈴木健二
(引)「きょうも人が殺された。理由もなしに。
きのうもだった。些細ささいな原因で。
おとといもだ。幼い子がだ。
たぶん、あしたもだ。どこかで。誰かが。
加害者は何年かたてば、
人権を守られて社会に復帰し、
あなたの隣に住む。
時には後悔もせず、
遺族に詫びる気はないと言い、
殺人をしたかったから殺したとうそぶく。
平然とだ。
一体。この人間はどういう人間なのだと、
すべての人が遺族の心中を思って、
腹の底から怒りをこみ上がらせる。
日本はこんな国ではなかった。
日本人はこんな国民ではなかった。
若い人はしっかりしてほしい。
父親よ、父親らしくあれ。
母親よ、母親とは何か考えよ。
隣近所は仲良くしたらどうだ。
加害者が被害者にもなる自殺が、年に三万人を越える
日本はこれからどうなってしまうのだ。
いま、誰もがこう思ってる
命を大切にと、世界中が叫んでいる。」
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