【平成十八年十一月】の定例法話会・テキスト
自らを正しく見れぬ『歪んだ教育界』
《ぜひ読みたい一冊『日本人としてこれだけは知っておきたいこと(PHP新書)』》
『歴史問題』でもめるのは、《中国や韓国との間の、歴史認識》の違いだけかと思っていたら、何と、肝心のお膝元である我が国では、その歴史の教育が欠落していたために、全国で五百四十校以上の高校で必修科目の《世界史・日本史・地理》などが教科から外され、十一月一日現在で、九万人もの多くの生徒達が単位の取得ができず、このままでは彼らは高校を卒業できなくなり、大学受験もままならない畏おそれさえ出てきたとして、学校も教育委員会も文部科学省も国会や官邸までも巻き込んで、その対策にてんやわんやの大騒ぎになり、結果として補習授業を短縮し卒業させることで決着を見たのです。
これについて《産経抄》にも書いていますが『京大教授の中西輝政氏は近著(引)「《日本人としてこれだけは知っておきたいこと(PHP新書)》」の冒頭で、(引)「日本の歴史教育は戦後、連合国軍総司令部によって全面否定された。連合国つまり米国にとって、それは日本が二度と脅威とならないためだ。』」と述べ、そして《戦後だって学校で歴史を教えてきたではないか》との反論には、『それは社会科の一部にすぎない、と答え、さらに独立した《歴史》という教科を廃止させることにより、戦後イデオロギーに合う歴史だけを教えることになり、それが今にいたるも続いているのだと言っています。』(もっとも、すべての歴史書は、勝者の論理で書かれていると言ってもよく、正しい歴史の真実の姿を正確に学ぶことは難しいかも知れませんが、そこは教師の努力で補うべきでしょう。)
しかも皮肉なことに、この本が出版された直後に、高校での《地理歴史未履修問題》が起きたのです。それは、大学入試に必要ない科目まで教えなくてもいい、という勝手な理屈で高校側が学習指導要領をごまかしていたと云うのですから、もはや何をか言わんやで、これで資源のない我が国が、より激化する国際化の中で、よりグローバルな知識と感覚が求められている次代の若者が育てられるとでも思っているのでしょうか。そこであえて言わせてもらえれば、より世界的な感覚を養う為には、その根底により日本的な知識と感性が必要なことは言うまでもないのです。たとえば、自らが生まれ育った我が国の大切な歴史である日本史をおろそかにして世界史だけを学んだとすれば、それは、日本人としてのアイデンテティの欠落を招き、結果として精神的無国籍人を多量に排出することになり、それでは、声高に日の丸反対、君が代反対を唱える、一部の片寄った教師と同じで彼らのその根底に歴史教育の否定や軽視があるとすれば、それは我が国の今日の基礎を築いてきた日本人の多くの先輩の過去や先祖を否定することにもつながりかねないのです。
と、云うことは、それが我が国の三十年後、五十年後の未来を託すべき若者達の心に、歪んだ影を落とし、世界や社会に対する感覚のバランスを欠いた数多くのねじれ人間を生み出し、結果として、これでは欧米諸国のみならず、東洋の近隣諸国との歴史や文化の感覚の違いをお互いに理解できない教育をしているのと同じといわざるえないのです。
そこで、もう一度言います。昔から『敵を知り己を知れば百戦して危うからず』と言う言葉があるように、日々国際化の度合いを強める現代において、自らの足元も見れず、自らがこれから進むべき道しるべとしての自国の歴史も知らず、世界の歴史や文化に裏打ちされた精神性の成り立ちと云うバックボーンも知らずに、闇夜の大海に無謀な船出をして行く若者達を数多く世に送り出すようなもので、これでは我が国の歴史という自らの顔を正しく写しだすべき『鏡』が、意図的に歪められた教育によって、自らの正しい姿を認識できずに、有名大学への合格率のみを最優先に考える予備校化した高校で、受験という目先の結果のみ拘こだわり、日本人としての真の姿を正しく写しだす『鏡』でもある歴史と云う大切な教育を疎おろそかにされてきた子供達を、無理やり受験と云う二階に押し上げて梯子はしごを外すような亡国教育に目を奪われた上、生徒達の精神的ゆとりを奪った中教審や文科省の《ゆとり教育》と称する政策で授業時間を短縮させられた上に、教育委員会や、今や単なる圧力団体に成り下がった《PTA》の顔色をうかがう教師達の片寄った教育では、日本の子供達の未来に黄信号が点ともっていると言うべきでしょう。
そして、この責任はどこにあるのかを検証してみるとき、未履修科目を承知の上で教科を組んだ学校側はもちろん、そうせざるを得なかった《ゆとり教育》と称して授業時間の短縮を役人的な机上の作業だけで進めた文科省にある事は自明の理なのです。
しかも、この文科省は過去にも度重なる受験制度の変更と云う前科があり、このような猫の目政策が、今日の混乱を招いた最大の原因であり、加えて何かと云うと学校や先生に対し教育委員会へのご注進をちらつかせてプレッシャーをかける『PTAをB級戦犯』だとすれば、さしずめ『文部科学省はA級戦犯』とでも云うできかも知れません。
因みに、これら役人の習性は、かつては今や世界遺産になった屋久島のシンボル的存在でもある《縄文杉》を、現地を一度も見たこともない役人が、勝手に机上の図面に林道を引き、この《縄文杉》を切ろうとし、現地の人々の反対で中止になった経緯があるのです。
そこで考えるに、これら役人達は(PTAも含め)自らの既得権と自己保身を写しだす歪んだ『鏡』の中に写る自らの虚像を実像と錯覚し、民の声も聞かず、あるいは無視し、このような政策を強引に押し進め、しかも一切の責任を取ろうとしない硬直した歪み体質の人々の集団が、今回の未履修問題の根底にあることを知るべきでしょう。そして、この驕り高き人々に、道元禅師の言葉『仏法(真理)とは自己を習うことなり』を送ります。
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