【平成十六年六月】の定例法話会・テキスト
チャットの書き込みが殺意を・・・
《顔の見えない会話が心も殺した、・・・ホームページの落し穴。》
今の世の中、一体どうなっているんだ!。と恐らく多くの人々が思ったであろう今回の惨劇は、六月一日午後、長崎県佐世保市の市立大久保小学校の中で、それも、皆が楽しみにしている給食の時間にそれは起きたのです。
そもそも、この事件の発端というのが、同市の市教育委員会が市内の各小学校に配備したホームページ作成ソフトを使った、インターネットの書き込みを巡るトラブルが引き金だったと云うのですから、市の教育委員会も困惑気味で、ソフトを配備した側の鶴崎耕一委員長は『学校のホームページを作るために、児童に(チャット用)ホームページを作る授業をしているかどうかは把握していない。』と苦しいコメントを述べるのみだったそうです。
因みに、このチャットとは、六月二日の読売新聞夕刊のメモ欄によると(引)「《英語で「おしゃべり」を意味する。インターネットを接続したパソコンなどを使い、会話をしているのと同じように楽しめる仕組み。文字入力すれば瞬時に画面に表示され、不特定多数を相手に言葉を伝えることが出来る。アドレスを指定して特定の相手に送信する電子メールより手軽。》」と云う事なのだそうです。
たしかに今回の加害者と被害者の間で交されたホームページのチャットの内容はいわゆる密室の中での誹謗中傷と言ってもよく、その内容は新聞報道によると『〈うせークラスつーか、私のいるクラスうざってー〉〈傲慢で(自己満足)なデブス(デブでブス)や〉〈下品な愚民〉〈喧嘩売ってきて買ったら『ごめん』とか言って謝るヘタレ(根性なし)や〉・・・』と凄まじいばかりの悪意に満ちた罵言雑言が書き込まれていたと云います。しかも事件の直前、同じHPの掲示板に『いい子ぶっている』とか『ぶりっ子』などと書かれたため、この女児は《やめて!》と云い、そのHPにアクセスして、その記述を削除したが、再び同じような書き込みをされたため《殺そうと思った》と云うのです。
それにしても驚くのは、この女児が殺意の意思を固めたのは犯行の四日前で、しかも、殺す方法を決めたのは、前日のテレビのドラマで『カッターで人を殺すシーン』を見てからだと云うのですから、あまりの短絡さに驚くと共に、改めてテレビの影響の恐ろしさに、文明の利器はその使い方によっては狂気に誘い、結果として恐ろしい凶器に変貌すると云う事を、私達に示したと云えるでしょう。
しかし何と言っても驚きを禁じえないのは、この猟奇に満ちた殺人事件を犯したのが、被害者である小学校六年生の御手洗怜美(さとみ)ちゃん(12才)の同級生の女児(11才)であり、この事件が起きるまではとても仲の良い友達だったことです。
ところが、被害者の怜美ちゃんと仲の良かった筈の、同級生のこの加害者の女児は、六月一日の午後の給食の時間に、怜美ちゃんを無人の学習ルームに呼び出し、窓のカーテンも閉め切った密室状態の中で、いきなり怜美ちゃんに隠し持ったカッターナイフで切り付け、首に深さ10センチにも及ぶ傷を負わせ、その傷が致命傷となって怜美ちゃんは一命を落としたのです。
この狂気とも云える犯行に及んだ「11才の女児」について、その両親は『まさかこの子が・・・。信じられない』とつぶやき『成績もよく、しっかり者で頑張り屋。ただ、自己主張ができず、はっきりノーと言えない内向的な性格・・・。』と児童相談所の職員に語ったといいますが、ならば、なおさら親が部活を止めさせた件も、本人の意思を尊重し、本人に決めさせるべきだったのかも知れません。
それにしても、今回の事件はコンピューターと云う顔の見えない、文字だけの未熟な会話の恐ろしさを、まざまざと見せ付けた事件と云えるでしょう。
これに付いて、六月二日の読売新聞の「編集手帳」欄は(引)「『言葉の衰えつつある時代の空気が寒々と漂う事件である。』」と云い、六月三日の産経新聞の「産経抄」では(引)「『同級生の首を切った女の子は、人を殺すということをどのように考えていたのだろう。「殺す」ことを、ゲームやテレビのスイッチを切るのと同じように考えていたのではないか、とみる識者もいる。』」と書き、さらに養老孟司の《バカの壁》に続くベストセラー『死の壁』の内容にも触れていましたので、その第一章の(引)「《なぜ人を殺してはいけないのか》から、拾い読みしてみますと『人は青酸カリで殺すことが出来ます。出刃包丁で殺すことも出来ます。又、《なぜ人を殺してはいけないの?》と子供聞かれ、困った人がいると云うが、こういう問いには、現在人よりも昔の坊さんのほうがよほど簡単に答えることが出来たはずなのです。《そんなもの、殺したら二度と作れねえよ》」と・・・。』
その為、仏教では《不殺生戒》と云い、生き物を殺すことを禁じているのです。
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